米弾劾、民主が2日目意見陳述 共和党、証人尋問に否定的な意見一層強まる 



弾劾裁判の進捗について記者会見に臨む民主党のシューマー上院院内総務=23日、ワシントン(AP)

 【ワシントン=黒瀬悦成】ウクライナ疑惑をめぐるトランプ米大統領の弾劾裁判は23日、検察官役を務める民主党下院議員団が2日目の意見陳述を行った。共和党の上院議員の間では「論点は出尽くした」として、民主党が求めるボルトン前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)らに対する証人尋問を行わず、トランプ氏の弁護団が意見陳述を終えた段階で速やかに評決に向けた手続きを進めるべきだとする主張が一層強まっている。

 この日の意見陳述で民主党は、トランプ氏による「権力の乱用」について追及し、トランプ氏は国益よりも自身の利益を優先させていると非難した。

 民主党のシューマー上院院内総務は23日、トランプ氏が「権力の乱用」と「議会妨害」を行った証拠は明白だとしつつ、疑惑にさらに切り込むために証人を呼ぶ必要性を訴えた。

 民主党による意見陳述は24日で終了する。その後は最大で3日間にわたるトランプ氏の弁護団の意見陳述、陪審員役の上院議員からの双方への質問(16時間)を経て、証人尋問を行うかどうかを採決する。

 上院(定数100)の過半数の賛成があれば証人尋問が行われる。

 しかし、トランプ氏弁護団に助言している共和党のメドウズ下院議員はFOXニュースに「民主党は過半数を確保できない」と断じた。共和党のポール上院議員が米紙ワシントン・ポストに語ったところでは、同党の上院議員53人のうち45人が早くも無罪評決を出す意向を固めたという。

 共和党の重鎮、グラム上院議員は23日、記者団に「証人を呼んで裁判を引き延ばすことはしない」と述べ、早期決着を訴えた。

 共和党では、穏健派のロムニー(ユタ州選出)、コリンズ(メーン州)、マカウスキ(アラスカ州)、アレグザンダー(テネシー州)の4上院議員が証人尋問に賛成する可能性があるとみなされている。

 共和党指導部はこれら4議員を中心に、証人尋問を経ずに評決を行うことを重ねて働きかける方針だ。



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