新型肺炎の死者計80人に 発症者は計2744人 中国本土 政府は春節休暇の延長を通知





車両の通行が制限され閑散とする中国・武漢市内=26日(共同)

 【北京=三塚聖平】中国国家衛生健康委員会は27日、新型コロナウイルスによる肺炎の発症者が中国本土で2744人に増え、そのうち死者は80人になったと発表した。重症者は461人で、回復して退院したのは51人。現時点で感染の疑いがある事例は5794人に急増しており、発症者は今後さらに増えていくとみられる。

 中国国務院(政府)は27日、30日までの春節(旧正月)の休暇を2月2日まで延長するとの通知を発表した。春節休暇が延長されるのは異例で、人の移動を減らすことで懸念が高まっている春節明けの感染拡大に歯止めをかける考え。

 27日には海外への団体旅行の停止措置も発動。世界規模での感染拡大を止める狙いがあるが、中国当局は同措置の解除時期を明らかにしておらず、国内外の旅行業界へ影響が広がっていくものとみられる。

 一方、中国国営中央テレビによると、湖北省武漢市の周先旺市長は26日夜に記者会見し、1千人前後の発症者が今後新たに確認される可能性があると表明。検査結果を待つ患者の人数などから推定したという。

 周氏は、現在までに500万人超が武漢を離れたことも明らかにした。春節や新型肺炎発生による影響と説明している。武漢では同市を出入りする飛行機や列車を止め、バスや地下鉄など市内の公共交通機関も営業停止する事実上の封鎖措置を23日から続けている。新型肺炎の感染拡大を防ぐためだが、既に多くの人が市外に出ているとすれば同措置の実効性に疑問が生じる恐れもある。

 また、中央テレビは26日、武漢市の海鮮市場から大量の新型コロナウイルスが検出されたと伝えた。市場で売られていた野生動物が感染源とみられ、詳細な調査を進めている。



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