半導体大手のキオクシアホールディングス(HD)は29日、早坂伸夫副社長(64)が社長に昇格する人事を発表した。病気療養中の成毛康雄社長(64)は退任し、取締役も外れるが、顧問などの立場で助言を受ける方向で検討している。傘下の事業会社キオクシアも早坂氏が副社長から社長に昇格し、成毛氏は社長を退任する。いずれも同日付。
東京都内で記者会見した早坂氏は「技術開発と研鑽(けんさん)を続け、社会に貢献していく」と抱負を述べた。同社は令和3年5月までの新規株式公開(IPO)を目指しているが、同席したステイシー・スミス会長は「当初計画を踏襲する」と変更がないことを強調した。
東芝子会社だったキオクシアHDは、平成30年6月に米ファンドのベインキャピタルを中心とする日米韓連合の傘下となった。昨年10月には、社名を東芝メモリホールディングスから変更。成毛氏の療養が長期化する中、昨年7月以降は早坂氏が社長業務を代行していた。
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早坂伸夫氏(はやさか・のぶお)東北大院修了。昭和59年東芝。令和元年7月から東芝メモリホールディングス(現キオクシアホールディングス)副社長。福岡県出身。