関連政治団体の政治資金収支報告書に多額の虚偽記入や不記載があったとして、政治資金規正法違反罪で略式起訴された堺市の竹山修身(おさみ)前市長(69)の選挙資金問題を追及する同市議会は30日、地方自治法に基づく調査特別委員会(百条委)を開き、竹山氏の証人尋問を行った。竹山氏が公の場で一連の問題について説明するのは、昨年4月の辞職以降、初めて。
午前10時半過ぎ、竹山氏はスーツ姿で証言席の前に立つと、傍聴していた市民や市議に対して一礼。証人尋問の冒頭で「昨年2月以来、私の政治資金の問題で市政を停滞させ、市民の信用を損なった。深くおわびしたい」と陳謝した。
平成29年9月の堺市長選で選挙運動費用収支報告書の出納事務を実質的に行っていた人物については、「複数の方が手伝ってくれていた」と答えたものの、個人名については「名前を言わないでくれといわれている」として明言を避けた。委員長から何度か名前を言うよう促され、委員会が一時中断する場面もあった。
竹山氏は、関連団体の政治資金収支報告書に約2億3千万円の記載漏れなどが見つかり昨年4月、引責辞職した。大阪地検特捜部は同年11月21日、竹山氏と会計実務を担当していた次女(39)を政治資金規正法違反罪で略式起訴。大阪簡裁がそれぞれ罰金100万円の略式命令を出し、2人は即日納付した。
市議会は同年6月に百条委を設置したが、竹山氏はこれまで証人尋問への出頭要請を拒否していた。