【主張】ふるさと納税訴訟 よりよい地方創生目指せ

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 よりよい地方の創生を目指す契機として、国も地方も判決を受け止めるべきである。

 総務省がふるさと納税の新制度から大阪府泉佐野市を除外したのは違法として、同市が取り消しを求めた訴訟で、大阪高裁は国勝訴の判決を言い渡した。

 平成20年に始まったふるさと納税では、自治体の返礼品競争の過熱が問題となった。同市は返礼品に加え、ネット通販大手のギフト券を贈るキャンペーンを行い、30年度には全国トップの約497億円を集めた。

 昨年、返礼品は寄付額の3割以下の地場産品とするよう地方税法が改正され、総務省は同市などを新制度から除外した。国地方係争処理委員会は同省に再検討を勧告したが、除外が続いたため、地方自治法に基づいて1審となる高裁に同市が提訴していた。

 判決は、同市の返礼品は「突出して極端」で、方法は「極めて不適切」と厳しく批判した。新制度が過去の実績をもとに自治体を選んだことも認定した。判決後、同市は最高裁に上告する意向を示した。今後も議論は続こう。

 しかし少なくとも、返礼品競争そのものを「弊害」と指弾した判断は、十分うなずける。ふるさと納税の本来の趣旨を判決は、地方団体の特色ある施策や事業に共感して寄付を行うこと、とした。その通りである。

 自治体はその土地ならではの魅力ある施策や産品を考え、育成する。寄付する側はそれに共感し、その自治体を応援する。それが、真の地域振興につながるふるさと納税の本来のあり方だろう。

 同市も、なりふり構わないやり方を反省すべきである。過度な返礼品を出した他の自治体も、返礼品のお得感につられて寄付をした側もしかりだ。

 反省が必要なのは総務省も同じである。勝訴したと喜んでばかりではいけない。もとの制度に欠陥があり、見直しも後手に回ったから、返礼品競争を過熱させたとわきまえるべきである。地場産品が少ない地域が不利な状況になっていないかなど、今後も細やかな目配りが欠かせない。

 国民誰しもの大切なふるさとを守るための制度である。国、地方自治体、寄付者である国民それぞれが、今回の一連の混乱を教訓としたい。そのうえでさらによい制度に育てていかねばならない。

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