春節(旧正月)休暇明け最初の取引となった3日の中国・上海の株式市場は、代表的な指数である上海総合指数が前営業日(1月23日)比7・72%安の2746・61で取引を終えた。現地情報によると、下落率は「人民元ショック」後の2015年8月24日(8・49%)以来約4年5カ月ぶりの大きさ。肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染拡大による影響が金融市場を直撃した。
上海株式市場は、新型肺炎の拡大で春節の大型連休が延長されていたため、久々の取引となった。休暇中に現地企業の工場停止が長期化するおそれが鮮明になるなど、中国経済に対する先行き懸念が強まっているなかで、3日の上海総合指数は一時、8・7%安まで下落する場面もあった。
また、上海株式市場に先立って取引が始まった3日の東京株式市場の日経平均株価は大幅に反落した。終値は前週末比233円24銭安の2万2971円94銭で、約3カ月ぶりの安値を付けた。朝方に400円超下落する場面もあった。
新型コロナウイルスの感染が拡大し、世界経済が停滞するとの警戒感から幅広い銘柄で売り注文が優勢となった。東京外国為替市場の円相場が一時1ドル=108円台前半にまで上昇し、輸出企業の収益を圧迫するとの懸念も下落要因となった。
ただ、前日に中国人民銀行(中央銀行)が大規模な資金を金融市場に供給すると表明したことが下支えとなり、日経平均は次第に下げ幅を縮小した。
前週末の欧米の株式市場でも新型コロナウイルスの感染拡大を受けて株価が急落。ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は、約1カ月ぶりの安値水準で取引を終えていた。(米沢文、北京 三塚聖平)