妻を布団の上から押さえ付けて死なせ、遺体をスーツケースに入れて遺棄したとして殺人罪などに問われた中国籍の無職、周世超被告(40)の差し戻し裁判員裁判の判決公判が3日、東京地裁で開かれた。永渕健一裁判長は被告の殺意を認め、懲役14年(求刑懲役18年)を言い渡した。
平成29年の1審判決は「妻を黙らせようと口だけを押えていると思い込み、圧迫部位が首だったと明確に認識していたか疑問が残る」として傷害致死罪を適用、懲役10年を言い渡していた。30年の東京高裁判決は、妻が死んでも構わないという「未必の故意」があったとして1審判決を破棄、地裁に審理を差し戻していた。
差し戻し審判決は、被告が妻の鼻や口、首などを一定時間押さえ続けていたと認定。「人を死亡させかねない危険な行為と十分認識していた」として殺人罪を適用した上、1審が認めた過剰防衛の成立も否定した。
判決によると、周被告は28年6月、東京都荒川区の自宅で布団の上から中国籍の妻=当時(34)=の顔などを押さえ付けて死なせ、遺体を品川区の京浜運河に遺棄した。