政府、スーパーシティ法案を国会提出 「3度目の正直」目指す


 政府は4日、人工知能(AI)やビッグデータを活用した最先端都市「スーパーシティ」構想の実現に向けた国家戦略特区法改正案を閣議決定し、今国会に提出した。法案は昨年の通常国会と臨時国会でいずれも成立せず、“三度目の正直”を目指す。政府は今夏をめどに導入を希望する自治体の募集を始め、早ければ年内にも選定する方針。

 スーパーシティは従来の規制にとらわれず、自動運転など住民サービスを提供する構想。モデル都市は地元住民の合意を前提に、首相が担当閣僚に規制緩和を要請する特例措置を行う。

 構想は片山さつき前地方創生担当相が提唱したが、規制緩和の手法をめぐり内閣法制局との調整が難航したこともあり、昨年の通常国会では廃案になった。臨時国会では皇室行事などで日程が窮屈となり、法案の提出自体が見送られた。

 スーパーシティは、住民の病歴などを地域で共有し、ニーズに合った医療サービスを提供するなど、個人情報を事業者に提供することも想定されている。住民の事前了解が前提とはいえ、個人情報が流出する懸念から、国会審議で野党の反発を招く可能性もある。

 安倍晋三政権は先端技術を駆使する「第4次産業革命」の推進を掲げるが、スーパーシティの実証実験が進む米中と比べ、大きく出遅れている。法案審議が停滞すれば、政権の本気度に疑問符もつきかねない。(永原慎吾)



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