中国で「買い物の外出制限」に踏み切る地域も 新型肺炎の対策で


 【北京=三塚聖平】中国各地で肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染者が拡大する中、市民に対する事実上の外出禁止措置を講じる地域が出てきている。感染者が多い浙江(せっこう)省の温州市では、買い物での外出を制限する措置が始まった。このまま感染拡大に歯止めがかからなければ、同様の措置が中国国内でさらに広がる可能性もある。

 温州市当局は、感染拡大を防ぐため、人の移動を制限する措置を2日から8日まで実施することを決定。当局の通知は、生活に必要な物資を買うための外出は、1世帯で2日に1度、1人に限るとしている。

 中国共産党機関紙、人民日報(電子版)によると、浙江省の感染者数は4日までに829人と湖北省に次いで多く、浙江省内では温州市の340人が最多。商才にたけた「温州商人」と呼ばれる同市出身者が湖北省武漢市で多く働いているとみられ、温州市は危機感を強めている。

 武漢に隣接する湖北省黄岡市も、同様の外出制限を1日から実施していると報じられている。黄岡市は、湖北省内で武漢に次いで感染者数が多い。

 武漢では、市を出入りする飛行機や列車を止める事実上の封鎖措置を1月23日から続けている。

 北京市内では、2月3日に春節(旧正月)の大型連休が明け、市外から戻ってきた人々の把握が各地域で行われている。大型連休明けの移動は今後も続くとみられ、中国各地では感染拡大につながる人の移動への警戒をさらに高めている。



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