人手不足の深刻化などコンビニエンスストアをめぐる課題を議論する経済産業省の有識者会議は6日、報告書を取りまとめた。人材確保などにおける主体的取り組みや食品廃棄方法の見直しなど、コンビニ本部に加盟店支援の強化を求める内容が柱。またIT活用や社会的課題の解決につながるサービス展開といった、持続的な成長モデルの再構築が重要とした。
報告書では、24時間営業や休日のあり方について個々の加盟店の実情に合わせた柔軟な対応を認めるべきだとした上で、「加盟店の直面する課題へのサポートを強化していくことが重要」と指摘。特に人材確保や定着を最大の課題に挙げ、本部が従業員に対する教育・研修を充実させるほか、加盟店負担が原則となっている人件費の一部負担などの取り組み拡充を訴えた。
食品廃棄については「リスクやコストの本部と加盟店間の分担が適切になされなければ廃棄削減につながらない」とする会議での議論を受け、見切り販売など加盟店の創意工夫を後押しすることを求めた。さらに加盟店オーナーの高齢化が進む中で、円滑な承継のために、従来より短期での契約形態を選択できるよう促した。
業界に対しては人材確保策として特定技能制度の活用検討なども要請。また、本部と加盟店に意見の相違が生じた場合の中立的な相談窓口や裁判外紛争解決手続き(ADR)の枠組みを整備する必要性を訴えた。
報告書ではまた、将来を見据えたコンビニの成長モデルにも言及した。ITを省力化だけでなく消費者の利便性や消費体験を高めるサービス設計に活用することを提案したほか、地方の買い物拠点や地域活性化の拠点としてコンビニの役割が高まると強調。ビジネスとして成り立つ新たなサービスへの期待を明記した。