人気漫画「ヒロアカ」の登場人物めぐり集英社が謝罪 中国などから「731部隊を想起」



人気漫画「ヒロアカ」の登場人物の名前をめぐり謝罪した集英社=東京都千代田区(早坂洋祐撮影)

 集英社は7日、週刊少年ジャンプで連載中の漫画「僕のヒーローアカデミア」で、3日発売の同誌に登場したキャラクター「志賀丸太(しが・まるた)」の名前が「過去の悲惨な歴史を想起させる」などと一部読者から批判されたことを受け、「中国をはじめとする海外の読者の皆様に不快な思いをさせてしまいました。深くお詫び申し上げます」と謝罪した。

 「志賀丸太」は、「脳無」と呼ばれる改造人間をひそかにつくる「悪の組織の医師」として描かれた。先の大戦で人体実験などを行ったとされる旧関東軍防疫給水部(731部隊)が、被験者を「マルタ」と呼んだことを連想させるとして、インターネット上で批判が寄せられていた。紙版では単行本収録時に、電子版では速やかに名前を変更するという。

 名前の由来について、作者の堀越耕平さんは「『丸太』は『丸々と太った』感じを表せればと名付けた」と説明。「志賀」の名字も、別の敵キャラクター「死柄木(しがらき)」の一部から取ったという。堀越さんは「いずれも偶然で、読者のみなさんを傷つける意図は全くありませんでした」としたうえで、「二度とこのようなことを繰り返さぬよう、努めてまいります」と謝罪した。

 この問題をめぐっては、週刊少年ジャンプ編集部が3日に公式サイトで「命名にあたり、作者や編集部にはそのような意図はありません」と説明していた。集英社は今回、「事前に編集部が表現について十全な検討を行うべきでした」としたうえで、「様々な歴史と文化への理解を深める努力を続けるとともに、皆様に愛される漫画をお届けしてまいります」とコメントした。

 同作は、多くの人が「個性」という特殊能力を持つ社会で、ヒーローに強く憧れる「無個性」の主人公、出久(デク)が努力を重ね、仲間とともに「個性」を悪用する悪の組織と戦う話。「ヒロアカ」の愛称で親しまれ、世界でも人気を集めている。



Source link