肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染者増加が止まらない中国は10日、春節(旧正月)休暇から休業を続けてきた各地の多くの企業や店舗が営業再開の予定日を迎えた。ただ通勤などに伴う感染拡大への警戒が強く、在宅勤務のままの職場も多い。通常の経済活動へ戻るには時間がかかりそうだ。
人口約2400万人の経済都市である上海市は、10日以降も在宅勤務を奨励。営業活動を自粛する企業も多い。ある中国人経営者は「16日まで自主休業する。万が一を考えると、人が密集するビルに従業員を出社させられない」と語った。
市民の警戒心も強い。上海市の20代の女性は「徒歩で通勤することに決めた。タクシーもつかまらないだろうし、地下鉄に乗るのは危険すぎる」と話す。
首都北京市でも10日、企業や商業施設が活動を再開。帰省していた数百万人が来週にかけて北京に戻る見通しで、駅や空港で検温や消毒などの対策を強化する。日本人学校は再開時期が決まっていない。
日系企業も多い江蘇省無錫市は外国人について、勤務先企業に営業再開許可が出ていない場合は市内に入れない措置を打ち出した。