兵庫県洲本市(淡路島)で平成27年3月、男女5人を刺殺したとして殺人罪などに問われた平野達彦被告(45)側が、1審の死刑判決を破棄して無期懲役を言い渡した大阪高裁判決を不服とし、最高裁に上告したことが12日、分かった。高裁が明らかにした。上告は10日付。
検察側は「適法な上告理由を見いだせなかった」として上告を断念していた。刑事訴訟法は、被告側だけが上告した場合には高裁判決より重い刑を言い渡すことができないとしており、死刑判決の可能性はない。
29年3月の1審神戸地裁判決は、被告の完全責任能力を認定し、求刑通り死刑を言い渡した。これに対し今年1月27日の高裁判決は、被告が妄想性障害の強い影響を受けていたと判断。心神耗弱状態だったと認めて1審判決を破棄し、無期懲役を言い渡していた。