自民党の田村憲久元厚労相(60)が5日、BS日テレの「深層NEWS」に出演し、次期党総裁選、いわゆる“ポスト石破”の候補者に求められる最重要条件として「安定した国会運営能力」を挙げました。これは、衆参両院で与党が過半数割れしている厳しい現状を踏まえ、日本の政治課題に対応できるリーダーシップへの切実な期待を示しています。
国会安定化こそ「ポスト石破」の最重要条件
田村氏は、政策の重要性を認めつつも、現在の「ねじれ国会」状態では「何を訴えたところで何もできない」と指摘。党総裁には、法案審議や政策遂行を円滑に進めるための「安定した国会を作れる」手腕が最も重要だと強調しました。さらに、「厳しい現実を分かっていて、出るという覚悟がある人」でなければ、この困難な局面を乗り越えられないとの見解を示し、政治の安定を最優先する姿勢を明確にしています。
自民党の田村憲久元厚労相が日本の政治課題について語る姿
林芳正氏への強い期待と連立政権構築への現実的視点
昨年9月の党総裁選で林芳正官房長官の推薦人代表を務めた田村氏は、林氏を「本当に日本の国のことを考えて動かれる方」と高く評価。再び総裁選に出馬する局面があれば「応援したい」と強い支持を表明しました。また、「安定した国会を作れる」連立相手については、「正直言って我々そんなぜいたく言えない」と苦笑しつつも、「政策が最低限合わないとまったく真逆のところはダメですよ。ある程度一致点が見出せる政党」との現実的な条件を提示。安定政権樹立のためには、幅広い連携も辞さない構えを伺わせました。
総裁選の早期決着と「簡易型」導入の提言
野党との連立交渉についても、「総裁選をやりながら水面下でいろいろ動きもあるかもしれない」と言及し、党内での早期調整の必要性を強調しました。「(党内対立で)ゴタゴタやっている時間はない。早く結論を出して前に進めたい」との言葉には、喫緊の政治課題への対応を急ぐ強いメッセージが込められています。そのため、総裁選が実施される場合は、党員投票を含む“フルスペック”ではなく、国会議員中心の簡易型が望ましいとの見解を示し、迅速なリーダー選出を求めています。
結論
田村憲久元厚労相の発言は、現在の日本政治が直面する「国会運営の不安定さ」という根本的な課題に焦点を当て、次期党総裁にはその解決能力が不可欠であることを強く訴えかけるものです。林芳正氏への支持表明と、連立相手、そして総裁選の形式に関する現実的な提言は、日本の政治が安定を確保し、国内外の課題に効果的に対応していくための重要な指針となるでしょう。