黒部市営駐車場、放置車両8台に法的措置へ – 3年半で駐車料金35万円超のケースも

富山県黒部市は、北陸新幹線黒部宇奈月温泉駅の市営駐車場で8台の放置車両が長期にわたり確認された問題で、所有者に対し駐車スペースの明け渡しを求める訴訟を起こす方針を固めた。一部は3年半以上放置され、1台あたり駐車料金が35万円に達するケースもあり、黒部市は公共駐車場の無断駐車問題解決に乗り出す。

深刻な放置車両の実態と高額な未払い料金

有料の第3駐車場に長期放置されている車両は、県外ナンバーも含まれる。車体には苔やツタが絡み、フロントガラスのヒビ、車検ステッカーの不在、カーナビの取り外しといった詳細が深刻さを示す。市の調査で、少なくとも3年半放置された車両があり、そのうち2台にはそれぞれ35万円もの駐車料金滞納が判明した。これは他の駐車場利用者への迷惑行為となっている。

黒部宇奈月温泉駅の市営駐車場に長期間放置され、カーナビが取り外された状態の車両。車体には苔がびっしり生え、フロントガラスにはヒビが見られる。黒部宇奈月温泉駅の市営駐車場に長期間放置され、カーナビが取り外された状態の車両。車体には苔がびっしり生え、フロントガラスにはヒビが見られる。

所有者の多様な所在地と市の度重なる撤去要請

放置車両の所有者は、富山県黒部市、入善町、群馬県、栃木県と広範囲にわたる。中には、1人で複数台を市営駐車場に放置している事例も確認されている。これまで黒部市は、所有者に対し書面通知や直接面会を通じて、車両の速やかな移動を再三促してきた。しかし、所有者側からは具体的な対応や、長期放置に至った明確な理由の説明は得られない状況が続いていた。

「法的措置以外に選択肢なし」 – 黒部市の断固たる決意

黒部市都市計画課の山崎久和課長は、今回の訴訟に踏み切る理由について、「撤去を再三お願いしたが応じてもらえない。法的措置しかない」と説明。「理由はどうあれ他の利用者の方にご迷惑にならないよう、すみやかに撤去したい」と述べ、速やかな問題解決への強い決意を示した。この決定は、公共スペースの適切な管理と公平な利用を確保するための重要な一歩となる。

まとめ

黒部市営駐車場における8台の放置車両問題は、長期放置による高額な駐車料金滞納と公共スペースの不法占拠という深刻な課題を提起している。黒部市は、所有者への度重なる交渉が不調に終わったことを受け、法的措置に踏み切る方針を固めた。これにより、無断駐車問題の解決と、市営駐車場の公平かつ適切な利用環境の回復が期待される。

参照元

FNNプライムオンライン