JFEHDが東日本製鉄所の一部ライン休止 高付加価値品へシフト加速


 JFEホールディングス(HD)は12日、東日本製鉄所の一部生産ラインを休止すると発表した。鉄鋼製品の需要減や原料価格の高止まりで採算が悪化する中、余剰生産設備の削減や生産集約で収益改善を図る。

 京浜地区(川崎市)では、家電製品などに使う「冷延鋼板」のラインと表面処理設備の一部を今年3月末までに休止する。また、千葉地区(千葉市)でも缶詰や飲料缶の素材となる「缶用鋼板」のラインを令和4年度中に休止し、西日本製鉄所福山地区(広島県福山市)に生産を集約する。

 一方、高付加価値品へのシフトを加速。電気自動車(EV)のモーターに使う「無方向性電磁鋼板」は、西日本製鉄所倉敷地区(岡山県倉敷市)の生産能力を5年度までに倍増させる。

 休止するラインで従事する約360人の従業員は配置転換する方針。また、休止により数十億円の固定費削減効果が見込めるとしている。

 同日発表した元年4~12月期連結決算は、最終利益が前年同期比82・8%減の269億円と大幅に減少した。業績悪化を受けて、取締役と執行役員の基本報酬を当面の間、7~20%減額する方針。都内で決算会見を行った寺畑雅史副社長は「最適な生産体制の見直しを国内外含め検討している」と述べた。

 鉄鋼大手では、日本製鉄も7日に日鉄日新製鋼呉製鉄所(広島県呉市)の閉鎖や和歌山製鉄所(和歌山市)の高炉休止を含む大規模な合理化策を発表している。

 JFEHDの発表で、鉄鋼大手3社の元年4~12月期決算が出そろった。最終損益は日本製鉄が赤字に転落。JFEHDと神戸製鋼所が減益となった。売上高は全社が減収となった。



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