中国交通運輸省の劉小明次官は15日、今年の春節(旧正月)だった1月25日以降の旅客数が、前年と比べ82・3%減の延べ2億8300万人にとどまっていると明らかにした。帰省からのUターン客が激減した。新型肺炎の拡大阻止のため政府が国民の移動を制限したためだ。
帰省の往路の客が多かった1月10日から24日までの旅客数は前年と比べ2・0%増えていた。ただ同月23日に湖北省武漢市を当局が事実上封鎖するなど新型肺炎を受けた規制が各地で強まり、25日以降の旅客は減った。
列車は乗客を座席数の半分までに抑えて感染を予防しているほか、突然の患者の発生に備えて隔離エリアも設定しているという。航空機にも隔離エリアを設けている。
劉氏は既に8千万人の出稼ぎ農民が都市に戻ったものの、2月末までにさらに1億2千万人が戻る見通しだと指摘。学生も1億人程度移動する見込みで、「感染拡大防止に全力で取り組む」と話した。(共同)