新潟県長岡市で昨年6月、生後3カ月の長女を自宅の階段から落とし殺害したとして、殺人罪に問われた母親の市職員、伊藤法子被告(32)の裁判員裁判で、新潟地裁は19日、重度の産後うつで心神耗弱(こうじゃく)状態だったと認定し、懲役3年、執行猶予5年(求刑懲役5年)の判決を言い渡した。
判決理由で山崎威裁判長は「被害者が泣きやまず不安、焦燥がピークとなりパニックを起こした」と刑事責任能力は著しく低かったと指摘。「泣きやませるために殺害したのは一見身勝手ではあるが、うつ病が大きく影響し、強く非難はできない」と述べた。
公判で検察側は責任能力はあったと主張。弁護側は最低限の身支度すらままならず、善悪を判断する能力が著しく低かったとして執行猶予付きの判決を求めていた。
判決によると、伊藤被告は昨年6月12日、自宅の階段から両手で抱えていた長女を3回落とし、殺害した。