【ワシントン=塩原永久】米連邦準備制度理事会(FRB)は19日、1月28~29日の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録を公表した。会合参加者は、中国での新型コロナウイルスの感染拡大を「世界経済の先行きに出現した新たなリスク」と警戒し、影響を注視することで一致した。
新型コロナウイルスの問題は会合の直前に浮上。議事録によると、会合参加者は、米中両国の「第1段階」貿易合意で景気見通しの不確実性が減少したが、感染拡大をはじめとする不透明要因が残っているとの認識を示した。
会合参加者に景気の現状分析を説明したFRBの担当者は、アジア各国で景気の持ち直しがみられるものの、「感染拡大が景気改善の持続性に疑問を投げかけている」と指摘していた。
1月下旬のFOMCは政策金利の据え置きを決定した。会合参加者は、現在の金利水準を「当面は維持するのが適切」と指摘した。
一方、新型肺炎の打撃で中国経済が減速し、米国にも悪影響が及ぶとの見方から、金融市場で年内の利下げ観測が強まっている。