新型肺炎、韓国で初の死者 感染者100人超す…南部の教会で拡大





新型コロナウイルスの感染が相次いで発生した韓国・大邱の教会周辺を消毒する保健所の関係者=20日(聯合=共同)

 【ソウル=桜井紀雄】韓国政府は20日、新型コロナウイルスについて新たに53人の感染が確認され、韓国での感染者は計104人に上ったほか、感染者に初の死亡者が出たと発表した。南東部、大邱(テグ)では、新興宗教団体「新天地イエス教会」の教会に通う信者の間で感染が拡大。韓国保健当局者は「市中感染が始まった段階にある」と述べ、強い危機感を示した。

 死亡したのは、大邱に近い慶尚北道(キョンサンプクト)の病院に入院していた60代男性で、19日の死亡後に感染が判明した。

 韓国では感染拡大がとどまっていた時期があり、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は13日に新型肺炎が「遠からず終息するだろう」と言及。メディアの関心も日本のクルーズ船での感染拡大に移っていた。だが、19日に確認された約20人と合わせ、2日間での感染者急増で、文政権は地方での治療施設の確保など、新たな局面に立たされた。

 韓国の感染者のうち、40人以上が同教会関係者。60代の女性が高熱などの症状が出た後もウイルス検査を拒んで礼拝に通い、その後に陽性と判定された。韓国当局は礼拝に出席していたとされる計約千人について検査を進めるとともに信者に外出禁止を求めている。



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