岡山県倉敷市の観光地「倉敷美観地区」の市道で、長年にわたって道路の使用許可を取らずに営業していた露天商が撤退していたことが21日、分かった。地元では無許可営業への反発が広がっており、今年に入って岡山県警が露天商に指導、警告したという。
道路交通法では警察の許可なく道路に出店し販売することを禁じている。露天商らは美観地区のメインストリートとなる倉敷川沿いでアクセサリーなどを販売。昭和50年ごろから営業していた80代の露天商もおり、川沿いに隙間なく並んでいた時期もあった。高齢化などから昨年時点で営業していた露天商は6人だった。
倉敷市は「特にトラブルはなかった」などとして、この問題を放置してきたが、倉敷商工会議所が昨年、商店主らにヒアリングをしたところ無許可営業に対する問題意識が強いことが分かった。昨年11、12月に地元経済界を中心に県警や同市もオブザーバーとして参加した対策会議が開かれ、無許可営業に対する不満、写真撮影をめぐる観光客とのトラブルなどが報告された。
地元の意向を受け、県警は1月から露天商に対して指導、警告を行い、今月2日に最後の1人が営業をやめたという。