「好きって言って」交際相手を刺殺したシングルマザーの悲しい過去






 「彼にどこにも行ってほしくなくて、一緒に死のうと思い…」。平成31年3月、京都市伏見区で元郵便局職員の女(37)が職場で知り合った交際相手の男性=当時(38)=を刺殺した事件があった。男性との関係を一方的に危ぶみ、将来を悲観して犯行に及んだ女に言い渡されたのは懲役14年の実刑判決。裁判では、中学生の長男を放置し恋愛にのめりこんでいく様子とともに、幼少期の悲しい過去も明らかにされた。(南里咲)

元交際相手に嫉妬

 31年3月8日朝、男性は京都市伏見区の自宅マンションのベッドの上で血を流しているところを発見された。すでに死亡していたが、遺体のそばには毛布に隠れて横たわる女の姿。女は男性の殺害を認め、同日、緊急逮捕された。

 京都地裁で行われた裁判員裁判の判決などによると、2人は事件の約2年半前、男性が働く郵便局に女が別の局から手伝いに来たことをきっかけに知り合い、2カ月後に交際を開始。女には前夫との間に当時小学5年の長男がいたが、2人は結婚も視野に入れ、長男のことを考えて2人の間に子供は作らないでおこうという話もしていたという。

 だが、女は男性が元交際相手からもらったプレゼントや手紙を保管していることや、会話に元交際相手がたびたび出てくることに不信感を募らせた。事件の約3週間前には、男性の携帯電話に元交際相手からメールが送られてきたことをきっかけに激高。男性の目の前で携帯電話を壊し、男性が保管していたプレゼント類を勝手に捨てるなどした。さらに仕事を無断欠勤、長男を自宅に放置したまま、犯行の4日前から男性宅に居座るなど、行動はエスカレートしていく。

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