【ワシントン=塩原永久】25日のニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は、新型コロナウイルスの感染拡大に対する警戒感から大幅続落し、前日比879・44ドル安の2万7081・36ドルで取引を終えた。安全資産とされる国債市場では米10年債利回りが一時過去最低を記録。欧州株式市場でも主要指標が大きく下落し、世界的に株安が連鎖する流れが続いている。
ダウの下げ幅は過去4番目の大きさで、2日間のダウの下げ幅は1900ドルを超えた。25日の下落率は約3・2%だった。
また、米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時1・307%を記録し、2016年7月以来、約3年7カ月ぶりに過去最低を更新した。投資資金は安全な資産と位置づけられている金や国債に流入している。外国為替市場の円相場は米長期金利の低下とともに円高となり、一時1ドル=109円89銭まで上昇した。
この日は1000ドル超の下落となった前日の反動から、取引開始後は買いが先行した。だが、米国内でも感染拡大の可能性に備えるべきだとの米保健当局者の発言が伝わり、下落基調となった。2月の米消費者信頼感指数が市場予想を下回ったことも売りを誘った。
感染拡大にともなう混乱は長期化の可能性が高まっており、米企業への業績不安が改めて強まっている。銘柄別では金融大手のバンク・オブ・アメリカや、化学大手ダウが大きく下げた。AP通信によると、アメリカン航空は2日間の下げ幅が約17%に達した。
ハイテク株主体のナスダック総合指数も255・67ポイント安の8965・61と大幅続落した。