休校見送り地域では賛否「仕事や介護あるので助かる」「子供の命優先を」 栃木・大田原





休校措置にならなかったため登校する児童ら=栃木県大田原市の市立紫塚小学校(伊沢利幸撮影)

 新型コロナウイルスの感染拡大防止で全国の小中高校などで一斉の臨時休校が始まった2日、栃木県大田原市は県内で唯一、休校措置としなかった。同市立の小中学校は午前授業とし、給食後に下校。市内では通常通り児童・生徒が登校する姿があったが、家庭の意向で一部の子供が自宅待機するケースもあった。

 同市中心部の市立紫塚小学校では午前7時半過ぎから、ランドセル姿の児童が次々に登校。ほとんどの児童がマスクを着用し、昇降口に置かれたアルコールで手を消毒して教室に向かった。

 1年生の教室では担任の女性教諭が朝の会で「今日から午前中だけの授業となりました。インフルエンザと同じでコロナウイルスもうがいをしてしっかり消毒すれば、かからない。がんばって手洗いとうがいをしましょう」と呼びかけた。

 この日、同校には全児童348人のうち、334人が登校。感染を心配して自宅待機させたいという保護者もいたという。先週までに授業が完了しなかった国語、算数など4教科を中心に学ぶという。

 荒井清之校長は「子供たちの元気な様子が見られてよかった。教科は弾力的に考えたい。またうがいや手洗い、マスクの着用、アルコール消毒などの徹底を図るなど感染予防に努めていきたい」と話した。

 別の小学校の3年生の男児を持つ母親(40)は「共働きで仕事を休めない。主人も私も両親が県外にいるので預かり先はない。午前だけでも学校に通えて、学童保育もあるので助かる」と話す。一方、今春、子供が小学校に入学するという30代のシングルマザーの女性は「午前授業は中途半端でまったく意味がない。子供の命が大切。まずは感染予防対策を第一に考えてほしい」と訴えた。

 同市では共働きやひとり親家庭の事情を考慮。同市を所管する県北健康福祉センター管内で感染者が発生していないことなどから午前授業とし、給食後に下校。午後1時からの学童保育の受け入れなどを決めている。24日の春休み前まで実施するが、同センター管内で感染者が発生した場合は休校とする。

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