関西電力役員らによる金品受領問題を受け、福井県高浜町が設置した第三者委員会は2日、特別職を含む18人が、同町元助役の森山栄治氏(故人)と贈答品のやりとりがあったとする調査報告書を公表した。特別職1人は10万円相当の商品券を受領していたが、同程度の品物を返礼しており、第三者委は「問題視しない」とした。
また調査を受けた特別職や町職員が、森山氏や同氏関連企業から依頼を受けたり、便宜を図ったりした事実は「確認されなかった」とした。
野瀬豊町長は昨年10月、産経新聞のインタビューで森山氏と贈答品のやりとりがあったと認めたが、「常識の範囲内だった」と釈明していた。
第三者委は、歴代の町長ら特別職と退職者も含む課長経験者の計約60人を調査。委員長を務める福井弁護士会の高辻俊一弁護士と町の代表監査委員の2人が聞き取りなどを進めていた。
問題をめぐっては、福井県も昨年11月、現職幹部と元幹部ら計109人が森山氏から金品を受け取っていたとの報告書を公表し、うち21人は「儀礼の範囲を超えている」と認定。県は21人の中で唯一の現職だった男性職員を戒告の懲戒処分とした。一方、受領者が森山氏に便宜を図った事実は確認されなかったとした。
関電役員らの受領問題を精査している第三者委員会(委員長・但木=ただき=敬一元検事総長)は3月中旬をめどに関電に報告書を提出する予定。金品受領の全容や見返りとしての便宜供与の有無を明確にできるかどうかが焦点となっている。