高知県奈半利(なはり)町でふるさと納税を担当する職員が、親族名義の口座を介して返礼品を扱う水産加工会社から百数十万円を受け取っていた疑いがあることが3日、捜査関係者への取材で分かった。高知県警は同日、この親族の住民票を自宅がある奈半利町から町外に不正に移した電磁的公正証書原本不実記録・同供用の疑いで、職員と部下、業者の3人を取り調べ、容疑が固まり次第逮捕する。
奈半利町は平成29年度にふるさと納税で全国9位となる約39億円の寄付金を集め話題となった。業者は任意の聴取に職員側に金銭を振り込んだことを認めており、贈収賄容疑での立件も視野に趣旨を調べる。
捜査関係者によると、3人は共謀して30年、職員の親族の住民票を同県安芸市にある水産加工会社に移した疑いが持たれている。住民票を町外に移すことで、町の税務調査で金銭の流れが発覚しないようにした可能性があるという。