新型肺炎で山梨県が休業助成の英断 ただし「感染拡大なら終了」





新型コロナウイルスの感染を防ぐため、マスクを着けて通勤する人たち=甲府市のJR甲府駅前(渡辺浩撮影)

 新型コロナウイルスをめぐって山梨県は、感染者や濃厚接触者となって仕事を休まなければならなくなった労働者や個人事業主に1日4千円を給付する休業助成制度を全国の自治体に先駆けて、先月28日に創設した。インターネット上では「大英断」「国も見習え」と称賛する声が相次いでいる。だが、この制度、感染が拡大したら終わることになっている。なぜなのか-。(渡辺浩)

■休業手当の対象外

 労働基準法は「使用者の責(せめ)に帰すべき事由」によって労働者を休ませた場合、使用者は平均賃金の6割以上の休業手当を支払わなければならないと定めている。

 つまり、熱があるからと、労働者が自主的に休んだ場合は休業手当はもらえない。ただし、職場に有給の病気休暇制度があれば、これを利用できる。

 指定感染症に感染した場合は、感染症法に基づいて保健所から就業制限や入院勧告を受けるため「使用者の責」ではなく、休業手当の支払い義務はないとされている。新型コロナウイルス感染者との濃厚接触者も、保健所の自粛要請で休んだ場合は対象外になる可能性がある。

■非正規労働者に恩恵

 山梨県の制度は、休業中に給与の支払いがなく、休業手当や健康保険の傷病手当がもらえない感染者とその濃厚接触者に最長14日間支給される。1日4千円としたのは、県内の最低賃金である時給837円の8時間分に、休業手当と同じ6割を掛けて算出したという。

 一般的な労働者は年次有給休暇が使え、傷病手当ももらえるため、今回設けた休業助成制度を利用する人は少ないとみられるが、一部の非正規労働者や個人事業主は恩恵を受けられる。

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