【主張】米民主党候補選 自国第一主義の対抗軸を

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 米大統領選の候補指名争いで、14州の予備選などが集中する「スーパーチューズデー」が行われた。民主党は投開票の結果、急進左派のサンダース上院議員と、中道穏健派のバイデン前副大統領が拮抗(きっこう)している。トランプ大統領と11月の本選で争う候補は、ほぼこの2人に絞られた。

 鮮明となったのは、序盤に劣勢だったバイデン氏の挽回だ。「民主社会主義者」を自任するサンダース氏の政治手法への抵抗感から、民主党の中道票が結集したためである。

 サンダース氏は大学無償化や国民皆保険の実現を掲げ、格差拡大に憤る若者らに人気がある。ただ経済政策の根本は資本家の敵視であり、外交は「人道的」を掲げるのみで具体性はない。専ら中身はトランプ氏の移民・国境政策の否定が中心である。

 貿易交渉では「米国労働者の権利を強化させる」と主張するばかりで、トランプ氏以上の「孤立主義」が目立つ。「民主社会主義者」ではなく「社会主義者そのものではないか」という民主党主流の危機感が、中道穏健派の巻き返しを生んだのだろう。

 序盤の予備選で健闘したブティジェッジ前サウスベンド市長が候補者争いから撤退し、バイデン氏支持を表明したことも中道穏健派の勢力結集に大きく寄与した。

 確かに、米国の大統領が社会主義者的であっては困る。中露や北朝鮮の脅威にさらされた東アジアの安全保障に、米国の強固なプレゼンスは不可欠である。

 対するバイデン氏は、オバマ前政権での副大統領の経験と即戦力を売り物にしている。

 米外交誌でバイデン氏は「なぜ米国が再び主導する必要があるのか」と題してトランプ政権後の米外交政策の再建を訴えた。

 自由・民主主義という価値観を守り抜く意気込みには賛同するが、「世界の警察官」からの撤退を表明し、世界の治安環境を不安定化したのはオバマ氏である。

 政権の中枢にいたバイデン氏には、この評価と反省を語ってもらわなくてはならない。

 国際社会は新型コロナウイルスの感染拡大に頭を悩ませている。「自国第一主義」が危機の封じ込めに役立たないことは象徴的だ。トランプ氏の対抗軸として立つならまず、国際協調と同盟国重視の道筋を明確に語ってほしい。

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