前橋市で平成30年1月、乗用車を運転中に事故を起こし、女子高校生2人を死傷させたとして、自動車運転処罰法の過失致死傷罪に問われた無職、川端清勝被告(87)の判決公判が5日、前橋地裁で開かれた。国井恒志裁判長は無罪判決を言い渡した。求刑は禁錮4年6月だった。
国井裁判長は判決理由で、被告が事故前に陥った意識障害について、「薬の副作用で低血圧になった可能性が高い」などと指摘。医師や家族から意識障害に陥る危険性について注意されておらず、被告も医学の専門的知識を持ち合わせていないとして、意識障害による事故の発生について「予見できたか合理的な疑いがある」と述べた。
判決後、被告側の渡辺雅博弁護士は「非常に複雑で難しい判決だったと思う。同じような悲劇を繰り返さないために今後に生かしてほしい」と記者団に話した。