【香港=藤本欣也】香港大のウイルス研究の権威、袁国勇(えん・こくゆう)教授は、感染力の強い新型コロナウイルスについて「流行が終息することはないだろう」と指摘し、発生から約8カ月後の2003年7月に終息した重症急性呼吸器症候群(SARS)とは異なるとの見解を示した。香港メディアが9日報じた。
袁氏によると、北半球では夏になれば新型コロナウイルスの勢力は弱まるものの、冬を迎える南半球においては活発化する。このため北半球でも冬になると、南半球から同ウイルスが伝播(でんぱ)するなどで勢力を盛り返す可能性があるという。
世界保健機関(WHO)で緊急事態への対応を統括するマイク・ライアン氏も6日、新型コロナウイルスについて「夏になれば消滅すると考えるのは、誤った期待だ。そのように考える根拠は現時点ではない」と主張している。