ロシア石油大手ロスネフチが4月から原油の増産に踏み切る計画であることが9日明らかになった。原油協調減産の枠組みが3月末で終了するのを受けた措置で、同様に4月から生産量を増やす方針のサウジアラビアや、原油の巨大生産国である米国に対抗する狙いだ。
米ブルームバーグ通信が報じた。新型コロナウイルス感染症が世界に広がり、原油需要が減少しつつある中、シェア争いが激しくなり、原油安が一段と加速する可能性がある。
ロスネフチ関係者によると、3月末で減産義務がなくなった後、可能な限りすぐに生産量を増やす。「現在の原油安にも耐えられる」と競争を勝ち抜くことへの自信を見せた。
サウジやロシアなど産油国は6日、協調減産の拡大や維持をめぐる協議が決裂。供給過剰になるとの見方が広がり、9日のニューヨーク原油先物相場は急落し、約29年ぶりの下落率となった。(ロンドン 共同)