リセッション懸念…欧州経済、避けられぬ追加緩和

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ECBのラガルド総裁(ロイター)

ECBのラガルド総裁(ロイター)

 【ロンドン=板東和正】欧州中央銀行(ECB)が追加金融緩和を検討するのは、新型コロナウイルスの感染拡大がユーロ圏のリセッション(景気後退)を招く恐れがあるためだ。欧州経済の不透明感が強まる中、景気の低迷を防ぐために金融緩和策は避けられないとみられている。

 「(新型コロナウイルス感染拡大に対して)行動しなければ、2008年の金融危機を思い起こさせるようなシナリオを目にすることになるだろう」

 欧米メディアによると、ECBのラガルド総裁は10日、欧州連合(EU)加盟国首脳らとの電話会議でそう発言したという。ラガルド氏が、ECBが追加金融緩和に踏み切ることを示唆したとの見方もある。ラガルド氏は5日にパリで行った講演でも「新型コロナウイルスが(欧州経済に)新たな不確実性をもたらしている」と危機感を示していた。 

 実際に欧州経済の低迷は顕著で、経済協力開発機構(OECD)は2日、20年のユーロ圏の実質成長率が前回から0・3ポイント下方修正し、0・8%に減速したと発表した。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が主因で、ユーロ圏などが「景気後退局面に陥りかねない」と警告した。

 新型コロナウイルスがユーロ圏経済を悪化する背景には感染の中心地である中国の景気減速がある。ユーロ圏経済の要であるドイツなどの経済は中国向け輸出に依存しており、新型コロナウイルスの感染拡大により中国の景気が低迷することで欧州の経済は下降する恐れが高まるためだ。

 日本総研調査部は、中国向け輸出が仮に10%減少した場合、ドイツでは0・2%強、ユーロ圏全体では0・1%強、実質国内総生産(GDP)を下げる見込みであると試算する。

 一方、最も深刻なのは、感染拡大を止めるため、全国で移動制限を実施すると発表したイタリアだ。スポーツ・イベントが中止されるなど経済活動が停滞することで、すでにマイナス成長に陥っている経済が悪化することは必至だ。英紙フィナンシャル・タイムズによると、イタリア経済は19年10~12月期に前期比0・3%縮小し、過去6年で最大の落ち込みだった。

 欧州経済を研究する経済学者は「移動制限によって、イタリアの景気後退は避けられなくなった」と指摘する。 

 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は11日、新型コロナウイルスについて「パンデミック(世界的な大流行)」を表明した。今後、感染拡大で欧州全域のGDPが落ち込む危険性もあり、追加金融緩和は不可欠な状況だ。

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