関西電力役員らの金品受領問題で、調査結果を関電に提出した第三者委員会の但木(ただき)敬一委員長は14日午後、大阪市内で記者会見し、福井県高浜町の元助役、森山栄治氏(故人)からの金品提供は「助役退任直後の1987(昭和62)年から始まった」と述べた。また森山氏と関電の歴史的関係を挙げ、「金品受領を、役員らの足枷(あしかせ)にする狙いがあったと考えられる」と指摘。「共犯関係に持ち込む意図があったと考えられる」とも述べた。
また報告書は、平成30年に受領問題を把握しながら公表見送りを決めたのは、当時の八木誠会長、岩根茂樹社長と森詳介相談役の3人だったと認定し、「極めて不適切であった」と指弾。但木氏は「不信感を生む結果になった」と批判し、「ユーザーに透明性を持った経営をすることが大事だ」と述べた。
第三者委は75人が金品を受領し、総額は計約3億6千万円相当に上ったとする調査結果を公表。森山氏からの金品提供は、同氏と関係が深い会社に「工事を発注させ、経済的利益を得る構造、仕組みを維持することが目的だった」と認定した。