「欧州はパンデミックの震源地」WHOテドロス事務局長 新型コロナに危機感示す





プラハ市の街頭に掲示された、中国・武漢で新型コロナウイルスに感染し亡くなった医師のポスター=13日、チェコ(ロイター)
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 【ロンドン=板東和正】世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は13日の記者会見で、感染が拡大する新型コロナウイルスについて「欧州が今や、パンデミック(世界的な大流行)の震源地となった」と述べた。イタリアをはじめとした欧州で感染者が急増する状況を受けて、危機感を示した形だ。

 WHOの集計によると、欧州の感染者数は13日時点でイタリアが1万5000人を超えた。スペイン、フランス、ドイツでもそれぞれ数千人の感染者が確認されている。テドロス氏は会見で、欧州の最近の感染状況について「中国を除く世界の他の地域よりも多くの感染者数と死者数が報告されている」と指摘した。トランプ米大統領は11日、英国を除く欧州から外国人が米国へ入国することを13日から30日間禁止する渡航制限を実施すると発表し、事態は深刻さを増している。

 また、テドロス氏は会見で、新型コロナウイルスによる死者数が世界全体で5000人を超えたとして「悲劇的な出来事だ」と話した。WHOは新型コロナウイルスの流行がピークになる時期を言い当てるのは「不可能」との見解を示しており、今後も感染が広がる可能性は高いとみられている。

 WHOは感染者の治療などに役立てるために、新型コロナウイルスへの対応に使われる基金を創設したと発表した。個人や企業などから資金を募るという。

 一方、テドロス氏は、日本が今週、1億5500万ドル(約170億円)をWHOのウイルス対策に拠出したと紹介。日本の新型コロナウイルスへの対応について「安倍(晋三)首相自らが先頭に立ち、政府一丸となった取り組みだ」と称賛した。



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