歌舞伎俳優、市川海老蔵(42)の十三代目市川團十郎白猿襲名(5月)を記念した特別企画ドラマ「桶狭間 OKEHAZAMA~織田信長~」(仮題、フジテレビ系で今夏放送)に三上博史、黒木瞳が出演することが16日、発表された。
織田信長を一躍戦国時代の主役に押し上げた伝説の一戦“桶狭間の戦い”を題材とした時代劇で、信長を演じる海老蔵が同局初主演となる。
信長にとって最大の脅威は駿河の大大名・今川義元だった。その義元役の三上は、NHK大河ドラマ「平清盛」(2012年)での鳥羽上皇役以来の時代劇に「実在の人物を演じる機会は何度かあったが、その都度、神経をすり減らしてきた。野口英世、宮沢賢治、中原中也…どなたにもお会いしたことがないのはもちろん、史実は断片しか教えてくれない。一人の世を生きた人物としてその時代背景をみなさまに体感していただくにはどうしたらよいのか。それぞれの魂から叱責されないようにありったけの想像力と直感と大胆な表現を駆使して臨みます」と決意も新ただ。
初共演となる海老蔵については「撮影のそのとき、そこに、ぼくらではなく、信長と義元がふわりと立ち現れればよいなあ、と心から願っています」と語った。
一方、信長の母・土田御前を演じるのが黒木。幼児期の信長は乳母の乳首をかみ切ったといわれるほど癇の強い子供であった。土田御前は信長には手を焼き、弟・信勝には手放しで愛情を注いだともいわれる。
海老蔵とは昨年の舞台「オイディプス」以来の共演となり「海老蔵さんが信長とうかがったときに“視聴者の方々はこれを待っていたのでは?”と思いました」と話し、「映像化されている信長のなかでも、今回は“桶狭間”に集約されているところが最大の見どころ。“うつけ”といわれた信長が家臣をまとめて義元に立ち向かう。そこまでの過程が描かれていることがとても分かりやすいと思います」と見どころも。
同局の高井一郎プロデューサーは、三上について「義元が体現するものは単なる一人の武将ではなく、圧倒的な権威としての時代の象徴。武士(もののふ)の苛烈が高貴な薄衣を纏(まと)ったかのような存在感を…と脚本の大森(寿美男)さんと考えていたときに、河毛(俊作)監督から最初に出たお名前が三上さんでした」、黒木については「謎多き女性といわれる土田御前。女性らしさの中の剛性、母性の中の狂気、たおやかさの裏の激情…黒木さんなら軽やかに、そして凛と演じてくださるものと信じています」とそれぞれコメントしていた。