新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による金融市場への衝撃が続いている。19日のニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は続落して始まり、前日からの下げ幅が一時700ドルを超えた。新型コロナの感染拡大で、今月14日までの週の失業保険申請件数が急増して約2年半ぶりの高水準となり、信用不安も収まらなかった。
これに先立つ18日は前日比1338・46ドル安の1万9898・92ドルで取引を終了。節目の2万ドルを割って約3年1カ月ぶりの安値となり、トランプ米政権発足からの上昇幅がほぼ消えた。原油相場も急落した。ただ、19日は買い戻しで2万ドルを回復する場面もあった。
米連邦準備制度理事会(FRB)など各国金融当局が資金供給を拡大しているが、資金繰りが厳しくなっている企業の信用不安は沈静化していない。19日のニューヨーク外国為替市場の円相場は、企業の資金繰り懸念で、基軸通貨ドルの需要が高まったのを背景に円売りドル買いが進み、一時1ドル=110円台をつけた。取引時間中に110円台をつけるのは2月27日以来、3週間ぶり。
一方、19日の東京株式市場は感染拡大による世界経済失速が懸念され続落した。終値は前日比173円72銭安の1万6552円83銭。約3年4カ月ぶりの安値で、平成24年11月以降上昇を続けた「アベノミクス相場」の上げ幅のほぼ半分が吹き飛んだ。