昨年の台風19号で被害に遭い、一時全体の約7割で運転できなくなっていた三陸鉄道リアス線は20日、最後の不通区間だった陸中山田-釜石(28・9キロ)で運転を再開し、約5カ月ぶりに全線が復旧した。岩手県沿岸部を走る163キロの鉄路が再びつながった。強風の影響でダイヤは初日から大幅に乱れた。
三鉄は運行していた北リアス線と南リアス線が東日本大震災で被災し、2014年に全線復旧。昨年3月23日、JR山田線の宮古-釜石を引き継ぎ、リアス線として開通した。「復興の象徴」とも呼ばれたが、昨年10月の台風19号で土砂流入やのり面の崩落などが相次ぎ、信号設備を含め計93カ所が被災した。
国や自治体が約20億円を負担して復旧工事を進め、段階的に運行区間を延ばし、残るのは陸中山田-釜石のみとなっていた。