中国、防疫対策と企業再開の難しいサジ加減 武漢は移動一部緩和、北京は国際線の検疫を他都市で





地下鉄の運行再開準備のため列車内を消毒する作業員=23日、中国・武漢(共同)

 【北京=三塚聖平】中国当局が、新型コロナウイルスの防疫措置をめぐり、緩和と強化という相反する対応を同時に行う微妙なさじ加減を求められている。感染源となった湖北省武漢市では、企業活動の再開をにらんで移動制限の一部緩和を表明。一方、首都・北京では海外から感染者の「逆流」を防ぐため、全ての国際線の検疫を周辺都市の空港で行う措置を始めた。中国政府は国内の流行がピークを過ぎたと主張するが、再び感染が拡大しないよう神経をとがらせている。

 武漢市当局は22日、市内の感染者が出ていない居住区では、一定の条件を満たせば自宅を出て出勤することを認めるとの通知を出した。中国メディアによると、市外から武漢に入ることも一定の条件下で認めるといい、市内の公共交通機関も徐々に回復させる。

 武漢の封鎖措置が始まってから23日で2カ月となったが、封鎖解除に向けた動きの一環とみられる。武漢の感染者は19日の発表以降、新たに確認されていないとアピールしており、これを名分に企業活動の再開を進める狙いとみられる。

 一方、中国政府は、北京に向かう全ての国際便の検疫手続きを周辺都市の計12カ所の空港で行う措置を23日から始めた。目的地が北京でも、最初に別の空港に着陸し、搭乗客はそこで検疫と入国手続きを受ける。問題がなければ同じ航空機で北京に向かう仕組みだ。手続きを行う12カ所は上海や天津など。海外から感染者が入国するケースが増え、空港での対応を強化している。



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