ポンペオ氏、アフガン電撃訪問 政府内対立解消に動く


 【シンガポール=森浩】ポンペオ米国務長官は23日、予告なしでアフガニスタンを訪問した。ガニ大統領と、ガニ氏に反発するアブドラ前行政長官と会談する。アフガン政府内の対立は、米国とイスラム原理主義勢力タリバンの和平合意の行方に影を落としており、ポンペオ氏が対立解消に乗り出したもようだ。

 2月29日に成立した和平合意では、政府がタリバン捕虜5千人、タリバンが政府軍などの捕虜1千人を解放することが盛り込まれた。しかし、ガニ氏が段階的な捕虜解放を主張したことにタリバンが反発。さらに昨年9月の大統領選の結果に不満を抱いたアブドラ氏が独自に大統領就任を宣言するなど内政の混乱もあり、解放に向けた動きは進んでいない。

 アフガン政府とタリバンは3月22日、インターネット電話を通じて、捕虜解放をめぐる初めての協議を開催したが、双方の意見の隔たりは大きく、解放が始まる見通しは立っていない。米国のハリルザド・アフガン和平担当特別代表は同日、新型コロナウイルスが捕虜の健康状態に与える影響を念頭に、「人道上の理由からも大切だ」と早期解放を促した。



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