「家庭も禁煙」条例可決、子供の受動喫煙対策で寝屋川市


 子供の受動喫煙を防ぐため、家庭など私的な空間でも喫煙を制限する条例案が23日、大阪府寝屋川市議会の本会議で可決された。10月1日から施行される。制限された場所での禁煙は、あくまで「努力義務」で罰則もないが、市民だけでなく、市内に通勤、通学する人々にも協力を求める。市によると、同様の条例は、東京都で平成30年4月に施行されているが、大阪府内では初という。

 可決されたのは「子どもの健やかな成長のための受動喫煙防止条例」で、広瀬慶輔市長は提案理由を「子供の健康に最善を尽くすため」と説明。条例では、家庭内を含めた子供がいる部屋や車内、屋外でも通学路や公園などを「喫煙しない場所」と規定した。

 駅周辺など市長が適切と認めたエリアを「路上喫煙禁止区域」にも指定できる規定も盛り込まれ、イベントの開催時など時間や場所を限定した指定も可能。路上喫煙禁止区域では、家庭内や通学路などと異なり、中止命令に従わない喫煙者に対して過料(千円)を徴収することが規定されている。

 また、市立小学校の4年生(約1800人)のうちの希望者を対象に、たばこなどのニコチンが体内に吸収されたことがわかる「尿中コチニン」の検査を実施することなどを盛り込んだ予算案も可決。この検査によって、「子どもの受動喫煙防止条例」の実効性を検証するとしている。

 コチニンは、たばこの副流煙に含まれるニコチンを日常的に吸っていると尿から検出される物質。市は、検査結果を保護者に通知するとともに、高い値が出ている子供の保護者に対して、受動喫煙を強いるような生活環境を見直すことを促す。

 市が昨年12月から今年1月にかけて実施した条例案についてのパブリックコメントでは、「プライベートな空間に制限を設けるのは行き過ぎ」など否定的な意見も寄せられた。しかし、広瀬市長は「受動喫煙を放置することは児童虐待に近い。市として子供を守っていく姿勢をきちんと示したい」としている。



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