オジー・オズボーン、ブラック・サバス最終公演映画化と回顧録を発表

「闇の帝王」オジー・オズボーンが、ブラック・サバスとしての歴史的な最終公演を収めた映画『Back to the Beginning: Ozzy’s Final Bow』を通じて、再びステージに別れを告げます。2026年初頭に劇場公開が予定されているこのライブ映画は、ファンにとって感動的な瞬間となるでしょう。さらに、オジーは自身の健康問題と引退までの経緯を綴った新たな回顧録『Last Rites』の発表も控えており、その波乱に満ちた人生の一端が明かされます。

伝説的最終公演を映画化：『Back to the Beginning: Ozzy’s Final Bow』

マーキュリー・スタジオが制作する映画『Back to the Beginning: Ozzy’s Final Bow』は、バーミンガムのヴィラ・パークで行われた約10時間に及ぶ壮大なイベントを凝縮したものです。このイベントには、マストドン、アリス・イン・チェインズ、ガンズ・アンド・ローゼズ、メタリカ、ライバル・サンズ、アンスラックスといったヘヴィメタル界のレジェンドたちが集結しました。映画では、オジー・オズボーンとブラック・サバスそれぞれの最終パフォーマンスを含む約100分間のハイライトが収録され、観客をその熱狂の渦へと引き込みます。

また、本作にはヴィラ・パークでの舞台裏映像や、ジェイソン・モモア、ロニー・ウッド、スティーヴン・タイラー、スレイヤー、パンテラ、TOOLのダニー・ケアリー、ブリンク182のトラヴィス・バーカー、レッチリのチャド・スミスといった豪華ゲストたちの貴重なインタビュー映像も収められています。さらに、映画公開に先立ち、ヤングブラッドが同イベントで披露した「Changes」のライブ音源がシングルとしてリリースされる予定であり、こちらも注目を集めています。

オジー・オズボーン、ブラック・サバス最終公演でのパワフルなパフォーマンス（Photo by Ross Halfin）

オジー・オズボーン、回顧録『Last Rites』で健康とキャリアを語る

ステージからの引退を宣言しているオジー・オズボーンですが、彼の物語はまだ終わりません。先週、新たな回顧録『Last Rites』の発売が発表されました。この自伝は、彼が過去7年間に直面してきた様々な健康問題、そしてライブ活動からの引退という決断に至るまでの経緯を詳細に綴ったものです。グランド・セントラル・パブリッシングから10月7日に刊行される予定で、その赤裸々な告白が期待されます。

オズボーンは本書について「“今の知識を持ったまま人生をやり直せるとしたら、何かを変えたいと思うか？”って聞かれるけど、俺の答えはこうだ。『ふざけるな、絶対に何も変えねえよ』。もし俺がクリーンでシラフだったら、今のオジーはありえなかった。まともで常識的な選択をしてたら、俺はオジー・オズボーンじゃなかった。たとえ明日すべてが終わっても、不満はないよ。世界中を旅して、たくさんのことを見てきた。良いこともやったし、悪いこともやった。でも今は、まだどこにも行くつもりはないんだ」とコメントしており、彼の哲学と生き様が凝縮された一冊となるでしょう。

音楽史に残る偉業と慈善活動

オジー・オズボーンとブラック・サバスは、最後の歴史的ライブを見事にやり遂げただけでなく、その公演が約1億9千万ドル（約270億円）という巨額の慈善資金を3つのチャリティ団体に寄付するという、人道的な偉業まで成し遂げました。『Back to the Beginning』と題されたこの最終公演は、単なる音楽イベントとしてだけでなく、社会貢献という側面でもその名を刻むことになります。彼の音楽キャリアの集大成とともに、その深い人間性が垣間見えるエピソードです。