首相「おおむね1年」 バッハ会長「100%同意」 東京五輪延期





東京五輪の開催時期をめぐりIOCのバッハ会長らとの電話会談を終え記者団の質問に答える安倍晋三首相=24日午後、首相公邸(春名中撮影)

 安倍晋三首相は24日夜、7月24日開幕予定の東京五輪・パラリンピックの開催をめぐり、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長と電話で会談し、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を踏まえ、五輪の開催を1年程度延期する方針で合意した。会談には大会組織委員会の森喜朗会長、橋本聖子五輪相、東京都の小池百合子知事らが同席した。

 会談で首相とバッハ氏は、東京五輪の中止はないことを確認。首相が「おおむね1年程度延期していただけないか」と要請し、バッハ氏が「100%同意する」と応じた。

 首相はバッハ氏との会談後、首相公邸で記者団に「遅くとも2021(令和3)年の夏までに五輪を開催することで合意した」と述べた。

 東京五輪の延期期間をめぐっては、2022年に北京冬季五輪が開催予定であることから政府高官は「せいぜい1年ぐらい」との見方を示していた。首相はバッハ氏との会談で、こうした時間軸を念頭に延期期間を提案したとみられる。

 バッハ氏は首相の意向も踏まえ、IOCとしての結論を4週間以内に出す方針だ。IOCは24日、東京五輪延期をめぐり理事会メンバーとも協議する。

 五輪の開催について首相は、16日の先進7カ国(G7)首脳による緊急テレビ電話会議で、「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証しとして、完全な形で実施したい」と表明し、他の首脳の支持を得た。

 IOCは22日の臨時理事会で、東京五輪について延期を含め4週間以内に結論を出す方針を決定。これを受け、首相は23日の参院予算委員会で「(完全な形での実施が)困難な場合にはアスリートのことを第一に考え、延期の判断も行わざるを得ない」と延期を容認する考えを示していた。

 日本政府関係者によると、電話会談はバッハ氏側から打診した。五輪が戦争で中止になった例は複数あるが、延期されれば史上初めてとなる。

 首相は25日午前にはトランプ米大統領とも電話で会談する。東京五輪について意見交換するとみられる。



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