孔鉉佑駐日中国大使は27日、東京・内幸町の日本記者クラブで会見し、新型コロナウイルスの中国での感染ペースは減速傾向にあるとして「中国本土の感染拡大は遮断できたと考えている」と発言した。
孔大使は、日本の官民による対中支援へ謝意を示し、「日本の善意へのお返し」として、中国政府による新たな対日支援が検討されていることを明らかにした。
新型コロナの影響で4月に予定されていた習近平国家主席の新たな来日時期については、「最もいいタイミングと環境のなかで実現したい。(両国間の)意思疎通をはかっている」と具体的な時期については明言しなかった。
会見では、コロナウイルスの呼称や発生源をめぐって応酬が展開された米中関係にも質問がおよんだ。孔大使は「発生源がどこかは専門家の間では定説がない。専門家以外のいかなる議論も今は意味がない」と述べ、「発生源をめぐって米国が挑発してきた」との見方を示した。
中国当局が米主要紙記者の追放処分を決めたことについては、「(米当局による)在米中国メディアへの不当な抑圧、弾圧がある」と反論、「国際社会の一員としてお互いに便宜をはかりあうというのはひとつのルールだ」と米国を批判した。