与野党の幹部は29日のNHK番組で、新型コロナウイルスの感染拡大に対処する政府の緊急経済対策などをめぐり議論した。自民党の稲田朋美幹事長代行は、経済的打撃を最小限に抑えるため「スピード感をもって実行する」と強調。立憲民主党などの野党は、緊急経済対策となる令和2年度補正予算案への政府対応を「遅い」と批判した。
稲田氏は「前例を大きく超える規模」の経済対策が必要と訴え、財源として赤字国債の発行も認める考えを示した。消費税率の引き下げについては「社会保障改革の大きな財源だ」として、慎重な構えをみせた。
立民の福山哲郎幹事長は、安倍晋三首相が28日の記者会見で補正予算案の取りまとめに10日程度かかると語ったことを批判し、予算案審議に協力するためにも「事前に野党の意向をくみ取ってほしい」と注文をつけた。
日本維新の会の馬場伸幸幹事長は、政府が緊急事態宣言を発出する要件は満たしているとして「なぜ首相が宣言しなかったのが不思議だ」と述べた。