外国為替証拠金取引(FX)で生じた顧客の損失を補填したとして、金融商品取引法違反の罪に問われた法人としての東郷証券(東京、現TO、清算手続き中)に東京地裁は30日、求刑通り罰金3千万円の判決を言い渡した。同社の元代表取締役野水裕資被告(57)は懲役1年2月、執行猶予3年(求刑懲役1年2月)とした。
事件をめぐっては、プロ野球巨人のドラフト1位で、実質経営者だった林泰宏元取締役(58)の執行猶予付きの有罪判決が既に確定している。
下津健司裁判長は判決理由で「損失補填により顧客の苦情を抑え込もうとした。金融商品取引業者の中立性、公正性を損ない、悪質だ」と述べた。
判決によると、平成28年7月から31年1月、東郷証券の顧客8人の損失計約6900万円を穴埋めした。