【特派員発】台湾・高雄 台湾の分断映す、親中派市長リコール 矢板明夫

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3月9日、40万筆のリコール署名を高雄市選挙委員会に提出する市民団体の関係者 (矢板明夫撮影)
3月9日、40万筆のリコール署名を高雄市選挙委員会に提出する市民団体の関係者 (矢板明夫撮影)
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 台湾南部の高雄市で、市長の韓国瑜(かん・こくゆ)氏(62)に対するリコール(解職請求)運動が盛り上がっている。韓氏は今年1月の総統選に、野党、中国国民党の公認候補として出馬し、現職の蔡英文総統(63)に大敗した人物だ。運動を推進する高雄市の有権者は、韓氏のリコール理由として「市民との約束を守っていない」ことなどに加え、「中国共産党とつながっているから信用できない」ことも挙げている。近年の米中関係悪化に伴い、「反中」と「親中」の対立が深まる台湾社会の分断が運動の背景にありそうだ。

■就任半年で総統選 怒り買う

 3月9日早朝、高雄市中心部にある鳳山行政センターの前に、約200人の黒いTシャツ姿の若者らが集まった。大勢の報道陣を引き連れ「韓を罷免して高雄を取り戻そう」などとシュプレヒコールを上げ、数百メートル先にある高雄市選挙委員会に向けて行進した。デモ隊の後ろをゆっくりと走る4台のトラックには、韓氏のリコールに同意する約40万筆の高雄市の有権者の署名が積まれていた。

 デモ隊が選挙委員会前に到着すると、待機していた数十人の韓氏の支持者が「頑張れ!韓市長」「蔡英文こそやめろ」などと叫び、デモ隊の代表が建物の中に入るのを阻止しようとした。しかし、警戒に当たっていた警官隊はすぐに人の壁を作り、両グループを分断した。衝突する場面はなかったが、怒号が飛び交い、現場周辺は緊張感が一気に高まった。

 韓氏を支持する集団は、若者が中心のリコールを求めるデモ隊と対照的で、白髪交じりの中高年が多く、2つのグループの間にある大きな年齢差が際立っていた。

 デモ隊は、韓氏のリコールを求める複数の市民団体のメンバーが主導し、この日、署名を提出するために選挙委員会を訪れた。代表者の一人、医師の陳冠栄氏は記者団に対し「署名提出はリコールの第2段階。順調にいけば住民投票までは約3カ月だ。私はこれからも努力し続け、100日後、韓氏のいない高雄でみなさんと再会したい」と話した。

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