【ニューヨーク=上塚真由】米ジョンズ・ホプキンズ大の集計によると、新型コロナウイルスによる世界の死者数は11日までに10万人を超えた。世界保健機関(WHO)が「パンデミック(世界的大流行)」を表明した3月11日には4千人台だったが、わずか1カ月で約25倍に増えた。米国などでは厳しい行動制限で感染者の増加ペースが抑えられているものの、依然、収束時期は見通せていない。
死者が多い国々では、イタリアと米国がそれぞれ約1万9千人。スペインは約1万6千人、フランスも約1万3千人と深刻な状況だ。世界の累計感染者数は約170万人となり、このうち最多の米国が50万人超と3割近くを占めている。
米国で最も被害が大きい東部ニューヨーク州の感染者は4月10日、累計で17万人を超えた。クオモ知事は、死者が前日から777人増え7844人となったと発表。一方で、3日間の平均入院者数が「劇的に減少」していると指摘した。
また、トランプ米大統領は10日、米国人が予想以上に厳しい行動制限に従っているとし、米国での死者数は「最低10万人以上とした(政府の)予測を大幅に下回るだろう」と指摘した。
【国内】
選抜高校野球中止、五輪延期、政府による緊急事態宣言の発令…。日本社会はかつてない激震に見舞われ続けた。
パンデミックが宣言されたのと同じ3月11日、日本高野連が選抜高校野球大会の中止を発表。ただそれは、その後に起きる数々の「異常事態」の前触れに過ぎなかった。
約2週間後の24日には、安倍晋三首相と国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が電話会談し、東京五輪・パラリンピックの1年程度の延期で合意。夏季冬季を通じて史上初の「五輪延期」が現実のものとなった。