大林宣彦監督が10日に亡くなり、晩年の大林作品に欠かせなかった女優、常盤貴子さんが11日、追悼文を寄せた。
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4月10日は「海辺の映画館 キネマの玉手箱」の公開初日の予定でした。そんな日に…。大林監督の周りでは、こういうことがしょっちゅう。
そういうとき、監督は、不思議だねぇ、と笑っています。映画人として、人として、本当にたくさんのことを教えていただきました。
監督は、初めてお仕事をさせていただいた映画「野のなななのか」の中で、主演の品川徹さんに「線を消したいんだ!」というセリフを何度も言わせていました。
最近気付いたんです。
線を引くから戦争が起きるんだ。線なんて消してしまえば平和になるんだ。そういうことだったんですよね?
答えはもう聞くことができないけれど、監督が命を削って訴え続けてくださった二度と戦争なんて起きない世の中になるよう私たちは映画の力を信じ、その思いをつないでいきたいと思います。
ありがとうございました。心よりご冥福をお祈りいたします。