中国政府は11日までに、今月予定していた新型コロナウイルスの克服を記念する切手の発行を延期した。理由は明らかにされていないが、ウイルスの発生源が中国であることを想起させるデザインが問題視されたとの見方もある。
中国国家郵政局は3月30日、感染症の抑え込みの取り組みが大きな成果を収めたとし、4月7日に記念切手を発行すると発表。ウイルスが最初に確認された湖北省武漢市の封鎖措置の解除を8日に控え、祝賀ムードを盛り上げる狙いがあったとみられる。
しかし、4日に発行延期を発表。切手に武漢市の観光名所が描かれていたことから、インターネットでは同市でウイルスが発生したと印象付けることを懸念したとの分析が出ている。また大衆を意味する「衆」の字の中心にミシン目が入っており、分裂を示唆するようなデザインが不適切とされたとの見方もある。
中国はウイルスを「中国ウイルス」と呼ぶ動きに反対し、発生源がどこかは結論が出ていないとの立場だ。(共同)