観光庁は15日、3月の訪日客数(推計値)が前年同月比93%減の19万3700人だったと発表した。新型コロナウイルスの感染防止のための入国制限の影響が直撃した。下げ幅は東日本大震災翌月の62・5%減を大幅に上回り、昭和39年1月の統計開始以来、過去最大。総数は平成元年2月と同程度の水準まで落ち込んだ。今年1年間の訪日客数も大きく落ち込むのは確実で、右肩上がりを続けてきた訪日客頼みの日本の観光政策は見直しを迫られそうだ。
国・地域別では、中国は98・5%減の1万400人、韓国も97・1%減で1万6700人と激減した。中国が1万1000人を下回ったのは平成5年以来。韓国も昭和61年以来の水準まで落ち込んだ。
新型コロナの影響による減少が目立ち始めた今年の2月と比べても、中国は88・1%減、韓国も88・4%減と記録的な落ち込みとなった。
中韓以外にも特にアジアからの訪日客の落ち込みが激しかったため、国・地域別の順位では平成に入って初めて米国が首位となった。